栄光キッズカレッジ南柏校:「チェッカー」で学ぶシンギングツリー
栄光キッズカレッジ南柏校では、「チェッカー」をプレイしながら、シンキングツリーの書き方を学びました。あれがこうなって、こうなるから、こっちがいい!と、考えるだけでなく、書いていきます。
チェッカーは、「相手のピースを取ることができる場合は、“必ず相手のピースを取らなければならない”」というルールです。したがって、例えば、自分のピースを相手が取れる場所に動かせば、相手は必ずそのピースを取るということになります。自分の行動によって、相手がどう動くかをコントロールすることができます。だからこそ、シンギングツリーの練習に適しているのです。
シンギングツリーを書く練習をする目的は、何か意思決定をするときに、「できるだけたくさんの選択肢を出し、それぞれによって結果がどう違うかを想像し、それを評価して選ぶ」ということができるようになってほしいからです。
だから、たったひとつの選択肢だけを考えて、その先を想像するのではなく、できるだけたくさん選択肢を用意してから選ぶということを、習慣づけさせたいと思っています。これは学校ではなかなか教えにくいことですので、ゲームをプレイしながら体験し学んでいく必要があると思っています。
子どもたちとのやりとりの中では、いくつかの例を使って説明をします。今回の授業の中では、サッカーをするときに、自分のところにボールが来て、パッと前を見た時に、
- 「シュートしようかな?」
- 「A君にパスをしようかな?」
- 「B君にパスをしようかな?」
といくつかできることを考えるよね?という話をしました。
こうして選択肢を出してから、選択肢ごとに考えるよね?と話は続きます。
- 「シュートしようかな?」→「いや、でもシュートはちょっと遠いから届かないかも…」
- 「A君にパスをしようかな?」→「A君のところには敵がいるぞ…。ボールを取られちゃうかも…」
- 「B君にパスをしようかな?」→「B君のところには誰もいないし、B君は上手だからドリブルもできる」
…と考えて、じゃあ、「B君にパスだ!」と一瞬で決めていると思います。だから、サッカーとかでは、シンギングツリーに似た考え方をしているんですよ、という説明をします。だから、できないわけじゃない。パパっと一瞬のうちにやっていることはある。それを、しっかりじっくり、できるだけたくさん選択肢を考えるために、紙に書いているんですよ、という説明をして、じっくり時間をとってシンギングツリーを書いてもらいます。
次回のレッスンでは、シンギングツリーを書いたことを頭に置きながら、もう一度チェッカーをプレイしてもらいます。そうすると、いくつかの選択肢とその後の想像をしてから、ピースを動かすように、だんだんみんななってきます。こうして、「ゲーム」→「思考メソッド(今回の場合はシンギングツリー)」→「ゲーム」→「思考メソッド」というふうに転移が行なわれ、「考え方」を学んでいくことができるようになっていきます。
シンギングツリーを書くことは子どもたちにとっては大変です。でも、自分なりの言葉でだんだん書けるようになっていきます。少しずつでも、自分の言葉でシンギングツリーを書けるようになる、それも子どもたちの自信になっていきます。