Mind Lab / マインドラボ 活動報告ブログ

マインドラボは、ボードゲームを使って「生きる力」「考える力」を養う教育カリキュラムです。イスラエル生まれで、現在世界15カ国で教えられています。

【保護者様からの感想】

 8月25日(日)に、渋谷区において、マインドラボの体験会を行いました。日曜日の夕方にもかかわらず、多くの方にご参加いただきましてありがとうございました。ご参加いただきました保護者様から、感想レポートを頂いておりますので、シェアさせていただきたいと思います。

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 ソフトウェアのお仕事をされているお母様からいただきました感想です。背中を押される思いです。こうした保護者様の思いを、教育現場に広げていく力になりたいと思っています。

 私はソフトウェアの仕事をしているが、オフショア先の技術力の進歩を目の当たりにし、このままでは、技術大国日本だったはずが、外国からオフショアとして仕事を引き受けて納品するような状況に追い込まれるだろうと危惧している。
 日本人は技術力がウリだったはずなのに、今、エンジニア達は技術をアジア諸外国に委託して、指示のみを出している。アジアの各国は国をあげてプログラミング教育等に力を入れているので技術力は追い抜かされる。しかし、そもそも日本人とは口下手、指示出しもきちんと出来ているとは言えないし、向いていない。
 これから日本が世界のリーダーとなり、世界に誇れる製品を生み出していくためには、技術力の復活と精神面での文化改革という2つの側面の改革が必要なのだと日々思っている。

 そんな思いの中、子供たちにボードゲームを通して論理思考を教える企画に招待していただき、とても興味をもって参加させていただいた。

 そして、為田さんの、パズル「ラッシュアワー」のワークでの声かけを聞いていて、ああなるほど、と感心し、マインドラボの目的のうちの1つを私なりに理解できた気がした。

 2人1組で交互にパズルを遂行する。ひとりは相手の作業をじっと見て相手に適切なアドバイスをする。手を動かしたりこうやれと指示を出したりしてはいけない。
 駐車場であるパズル盤の奥に入ってしまった赤い車を、いろいろな車をいろいろと動かして出口に導くパズルなのだが、何も考えずに動かしていくとハマっていってしまう。

 まさに、急げ急げと試行錯誤が行われてしばらく後、先生から、適切なタイミングで、「今どの車が障害になっている?」「そのためには何?」と一手一手さかのぼっていく問いかけが行われた。そして、子供たちに、組んでいる相手に、そのような問いかけをちゃんとしてあげるんだよと促した。

 こんな体験が現在の授業の取り組みの中であるだろうか。
 計算や漢字を隣の子に教えたところで、こんな丁寧に教えないだろうし、大体のことは先生が教えるし、勝敗をつけられるのに、タイムを競わずにプロセスを大事にしなさいなんて、滅多に言われることはないのではないだろうか。

 指導によっては”ゲーム”なので、白熱したりタイムを競ったり煽ったりしてしまいかねない。指導者には、何を子供たちに教えることがごオールなのか、常に意識するファシリテーション能力が問われる。

 指導者は、答えが決まっていることを指導することになれているように思う。子供も指導されることに慣れてしまっていると思う。社会に出てそれがネックなわけだから、そこを改革すべきであり、当然、指導者の方にも意識改革が必要なのだと思っている。

 学校の指導で用意するボードゲームには、バリエーションが必要だと伺った。
 確かに、誰にも勝てるチャンスがあるのがいい。負ける機会が与えられるのがいい。小さな失敗を経験して、将来の失敗のシミュレーションをしてメンタルを育てる。ゲームの本質として、思うようにならない局面、ここぞという局面での自分をシミュレーションできるメリットがあると思っている。

 今後、ある程度の人数を生かしたような協同型のゲーム、グループ対戦型のゲームなども体験してみたい。

 ボードゲームも手段の1つだが、日本の子供たちに、男女問わず、論理思考とリーダーシップを身につける多角的な教育をした10数年後の未来、必ず日本は再び、世界で力を発揮できるようになると心から期待している。