Mind Lab / マインドラボ 活動報告ブログ

マインドラボは、ボードゲームを使って「生きる力」「考える力」を養う教育カリキュラムです。イスラエル生まれで、現在世界15カ国で教えられています。

マインドラボ・おとな会 Vol.13 開催「計画力とリソースマネジメント」

 9月17日(水)に、マインドラボ・おとな会Vol.13を開催いたしました。今回は、「コリドール」というボードゲームをプレイしながら、「計画力とリソースマネジメント」について考えるトレーニングをしました。
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 コリドールは、自分のコマを先に相手側の手前のマスまで辿り着かせることを目的とするゲームです。目的を達成するためには、リソースである10枚の壁をいつ、どのように使うかが重要になります。ゲームの状況をよく見て、状況に応じてコマを動かすのか、壁を置くのか、行動を意思決定する必要があります。
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 まずはルールを説明して何回かゲームをやってみます。その後に、ディスカッションをして、連勝した人には、どんなことを考えてやっていたのかを発表してもらいます。また、負けてしまった人には、何が敗因だったと思うかを発表してもらいます。

 こうやって、ゲームの中で自分が考えたことを発表・共有することで、自分自身の思考の振り返りと共に、他人の思考を知ることができます。

 また、質問やディスカッションをしながら、コリドールにおける思考法についても紹介していきます。

 コリドールにおけるリソースは、10枚の壁ですが、この壁は、相手の壁になることもあれば、自分自身の壁にもなり得ます。また、リソースの使い方としては、相手を邪魔をする以外に、自分の道を作るために壁を置く、という使い方もできます。

ただリソースを使うのではなく、目的を明確にしてリソースを使うということが重要です。

 ディスカッションをし、コリドールにおける思考法についても紹介したあとに、再度何回かゲームをします。

 こうやって何回かゲームに取り組んでもらうことで、「ゲームが楽しい」という導入から「どうやって考えたらいいのか」「次はこうやってみよう」という思考に目的が自然と変わっていきやすくなります。最初の方は、ゲームルールを理解することや、ゲーム自体を楽しむことを目的としていますが、徐々にゲームの中でどうやったらいいかを考えることや、思考法を実践してみる、という目的に変わっていきます。
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 また、何回かゲームをする中で、対戦相手も変えます。ゲームも相性があり、人によってもプレイスタイルや思考が異なるので、そういった状況の変化を感じること、そこからどう行動するかを考えることを、体験してもらうことができます。

 最後に、ゲームの中で考えたことが、業務や実生活の中でも共通して利用することができること、同じような考え方ができることを考えてもらい、発表してもらいました。


次回は、

10月15日(水)19:30~21:30の開催です。
 
今度は、アバロンというゲームを使って、「チームワークと投資・犠牲」について考えます。
▼「マインドラボ・おとな会Vol.14」<10/15(水)>
https://www.facebook.com/events/766570186732869


企業研修や、学校の総合学習などの授業、教室のプログラムなどに、
「マインドラボ」を導入したいとお考えの方、関心のある方は、
お気軽に info@practica.jp まで、ご連絡ください。

淑徳小学校:チャイニーズチェッカーの授業がスタート!

淑徳小学校の放課後クラス「淑徳アルファ」の2年生クラスでは、今回から「チャイニーズチェッカー」を使った授業がスタートします。テーマとしては、これまでのゲームと同様に「協力」「助け合い」がメインになります。

チャイニーズチェッカーのルールを説明をする前に、前回の授業でワークブックの発表ができなかったので、最初に発表をしてもらいました。
答え合わせでは、どうしてその選択の方がいいのかを説明するところまでセットで答えてもらいました。最初は「えっ」と少し戸惑うものの、すぐに言葉で説明し始めます。児童たちは、「なんとなく」という曖昧な言葉ではなく、きちんと具体的な理由を言葉で説明できるようになってきました。
また、実社会における「協力すると良いこと」の発表では、以下のような答えが児童たちから出てきました。

  • サッカーでチームで協力して突破してゴールすること
  • いろんな楽器で演奏するときれいな音になる

こうやってゲームの中だけで完結するのではなく、実社会に結び付けて考えることで、あらゆる場面で同様の思考を使うことができるように訓練します。


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発表が終わったあと、チャイニーズチェッカーのルール説明をしました。
チャイニーズチェッカーは、9つある自分のコマを、先に相手側の陣地にすべて移動させたプレイヤーの勝ちとなります。コマは上下左右に1マスしか動かせませんが、隣にコマがあり、さらにその隣のマスが空いていれば、そのコマをジャンプして移動させることができます。さらに、ジャンプした先の隣にコマがあり、その隣のマスが空いていれば、続けてジャンプすることができるのです。

この連続したジャンプのことを「チェインジャンプ」と言うのですが、ルール説明をした際に、児童たちから「じゃあ、チェインジャンプを利用して移動した方がお得なんだ!」という声が出たので、「どうしてチェインジャンプの方がお得だと思うの?」と聞くと、「チェインジャンプした方が1回にたくさん移動できるから」と返事が返ってきました。自分の考えに対して、きちんと理由付けができているなと感じました。

ところが、頭では理解していても、なかなかゲームの中で実際にチェインジャンプを利用した移動ができずに、1マスずつ移動させていたり、チェインジャンプできることに気付かずに1回ジャンプして終わりとしている児童が多かったです。
頭で理解していても、実際にはそれをなかなか実践することができないのは、大人も子どもも変わらないなと感じました。

また、ゲームプレイ中に、何人かの児童たちから、「コマはまとまって動いた方がいいのかな?」「まとまらない方がいいと思う!」といった疑問や意見が出てきたので、次回以降の授業で、チェインジャンプをする上での条件などと絡めてディスカッションできればと思っています。

栄光キッズカレッジ自由が丘校: 親子シンキングゲーム大会「グリークサラダ」

9月14日(日)に、栄光キッズカレッジ自由が丘校にて、親子シンキングゲーム大会を、年中さん〜年長さんを対象に開催しました。
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今回、プレイしたゲームは、野菜のイラストが描かれたカードゲームの「グリークサラダ」です。
2人~4人対戦のゲームで、最初に手持ちのカードがすべてなくなったプレイヤーの勝利となります。手持ちのカードをなくすには、場に出ているカードに描かれたいくつかの野菜のいずれかと、手持ちのカードで同じ野菜が描かれているもので、かつその野菜の数が場のカードのものよりも多いと、出すことができます。


ゲームを通して、以下の3段階の思考を実践します。

  1. 確認する(場のカードに描かれている野菜を確認する)
  2. 数える(場のカードに描かれている野菜の数をかぞえる)
  3. 比較する(手持ちのカードと比較する)


幼児は、比較している段階で、出せるものを発見したら、「あった!」と言って、他のカードをまったく見ずに、発見したカードをすぐに出してしまいがちです。
そういうときに、マインドラボでは、「頭の中に、信号を思い浮かべよう」と伝えます。信号の意味になぞらって、じっくり考えてから行動する練習をさせるのが、この「信号メソッドです。

  • 赤 ⇒ 止まれ!行動する前に考えよう!
  • 黄 ⇒ 注意深くじっくり考えよう!全カードを確認しよう!
  • 青 ⇒ 考えた方法を行動してみよう!


幼児に、「行動する前によく考えて」と言っても伝わりずらいですが、幼児でも知っている「信号」をモチーフにして、意思決定する際の思考法が、イメージしやすいようにしています。

ゲームの中で「よく考える」ことを実践しながら、ゲームプレイ中に「どうしてそう考えたのか」「どうしてそれを選んだのか」という質問を、インストラクターから声掛けをして、言葉で説明することも繰り返し練習してもらいます。


栄光キッズカレッジ自由が丘校では、
木曜日の午後の時間帯で、マインドラボの教室を開講しています。
体験レッスンもお申込みいただけますので、楽しく遊びながら考える、ということを、ぜひ一度ご体験いただければと思います。

▼栄光キッズカレッジ自由が丘校「マインドラボ」
 学校では学ぶことができない"考える力"が学べる!
 http://www.eikoh-kidscollege.com/course/X3300/post_315.html

  • 年中・年長クラス 15:00~16:00
  • 小1・小2クラス 16:15~17:15

桐生タイムスに掲載されました

 9月17日の桐生タイムスに、群馬県桐生市の有鄰館塩蔵で行ったマインドラボの様子が掲載されています。

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 ワークショップの様子は、以下のエントリーをご参照ください。


きりゅうアフタースクールで、マインドラボ体験クラス - Mind Lab / マインドラボ 活動報告ブログ

きりゅうアフタースクールで、マインドラボ体験クラス

9月13日(土)と14日(日)、群馬県桐生市の有鄰館というところで、マインドラボの体験ワークショップを実施しました。これはNPO法人キッズバレイ様が招待してくださったからで、キッズバレイ様が運営している、きりゅうアフタースクールに参加してくれている子どもたちが、たくさん来てくれました。
今回の会場である有鄰館は伝統的建築物で、伝統ある桐生の歴史を感じさせる場所でのワークショップとなりました。

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なんと、今回の教室は塩蔵です。いろいろな教室でマインドラボを教えてきましたが、さすがに蔵の中というのは初めて。参加してくれた子どもたちも、有鄰館は校外学習などで来たことがあった子もいましたが、「ここ(塩蔵)は初めて入った」という子も多かったです。
 
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「ラッシュアワー」をやりました。まずはルールの説明からです。
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みんな真剣です。いつもの通り、2人1組で協力しながら問題に取り組みます。
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アバロン」のルールを説明しているところです。「これ、オセロみたい」「挟んだらひっくり返るんでしょ?」と、自分たちでルールを想像します。
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今回は小学校4年生以下のクラスと、5年生以上のクラスの2つを開講しました。低学年クラスも高学年クラスも、どちらも「どうして?」「なんで?」と何度も何度も質問をされ、「え?」と戸惑いながらもがんばって答えようと努力してくれました。その努力が、「なんで?」と自問自答ができるようになるための大切なステップだと思います。
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オープンなクラスでしたので、ボランティアの方が参加もしてくれました。ピロスを小学生と対戦しているところです。
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アバロン」。「こういう場合だったら、どうやったらいいと思う?」とゲーム中にもたくさんの質問を投げかけていきます。
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2時間はあっという間に過ぎて、終わった後は、「これ、ほしい!」という子たちがたくさんいました。「どのゲームが好きだった?」と訊くと、やはりみんな、自分が得意なゲームを選びます(笑)
 
 
継続してマインドラボの授業を受けると、だんだん「ゲームに勝つこと」よりも「考えること」の方に興味が移っていく子が増えるので、だんだん得意ゲーム=好きなゲームではなくなっていきます。そうした変化が出るまで、継続して教えたいな、と思いました。ぜひ、アフタースクールのプログラムに継続して採用してくださいませ!あ、まずは夏休みなどの数日間のインテンシブクラスでもOKです。
 

淑徳小学校:ゴブレットの授業がスタート!

淑徳小学校の放課後クラス「淑徳アルファ」の3年生クラスでは、今回から「ゴブレット」を使った授業がスタートします。テーマとしては、「問題をどう回避するか」ということと「記憶力」がメインになります。

ゴブレットは、基本的には四目並べのルールですが、ピースが4種類の大きさになっているので、大きいものを小さいものの上にかぶせてしまうことができる、というのが特徴です。また、かぶせていたのに気づかないで大きなピースを動かしたら、下から相手のピースが出てきてしまう、というようなこともあります。
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ここまでルールを説明したところで、「うわ、覚えてなきゃいけないの?記憶力大事じゃん…!」という声が児童から出てきました。「そうそう!覚えておかないといけないね」と説明を乗っけていきます。

マインドラボの授業では、新しいゲームが出てきた回はルールを把握することが第一に大切なので、まずは何度もプレイをしてもらいます。今回のゴブレットは、何も考え方などは説明していませんが、「あ、ここでダブルリーチになっちゃう!」など、次回以降の授業では説明したかった「脅威」に関係しそうな言葉も聞こえてきたので、次回以降、そのあたりをじっくりと考えてもらおうと思っています。
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淑徳小学校:仮説を立てて確認してみる

淑徳小学校の放課後クラス「淑徳アルファ」の2年生クラスでは、「キャット&マウス」を使った授業の最終回となりました。

ネコのピース1つとネズミのピース6つで対戦するゲームですが、ネズミのピースをそれぞれ近くに置いて、助け合うように動かしていくと、ネズミが勝てるゲームになっています。そこから「協力すること」について考えるという授業です。

みんなネズミで勝てるようになったところで、1人の女子が「これって、4つでも勝てるかな?」と言ったので、「勝てると思う?」と質問し返してみると、「ちょっとむずかしいかな…」と言うので、「じゃあ、試してみよう」ということで、試してみました。
マインドラボでは、この「4つでも勝てるだろうか」と考えるところが大切だと思っています。結果、ネズミのピースは4つでも勝てました。では、「3つだったらどうだろう?」が次の疑問になります。これも試してみました。3つでも勝てました。
「じゃあ、2つだったら…?」とさらに「知りたい」「確かめたい」が増えていきます。こうした好奇心が湧き立つように、授業を進めていきたいと思っていますので、こうしたやりとりが授業の中では出てくると非常に嬉しくなります。(2つでは、勝てませんでした…) 
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その後で、ワークブックに「キャット&マウス」でゲーム上はできた「協力すること」を、実社会でやってみたらいいことがないだろうか?というのを、ワークブックに書き出してもらいました。「むずかしい!書けない!」を連発しますが、「正解がひとつあるわけじゃなくて、自分で思ったことを書けばいい。ただし、どうしてそう思ったのかが、先生や他の人が読んでもわかるようにしてほしい」と伝え、いくつかの例を出すと、みんな少しずつ書き始めていきました。
残念ながら、前半で「ネズミのピースを少なくしても勝てるか」を実験していたため、最後は時間切れで答え合わせができず。答え合わせは次回に持ち越しです。他の人がどんなことを書いたのか、というのを聞くことも大切な勉強なので、できるだけたくさんの人に発表をしてもらいたいなと思っています。
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