Mind Lab / マインドラボ 活動報告ブログ

マインドラボは、ボードゲームを使って「生きる力」「考える力」を養う教育カリキュラムです。イスラエル生まれで、現在世界15カ国で教えられています。

西武学園文理小学校:ルナロックアウトで学べること(児童アンケートから)

 マインドラボを導入していただいている、西武学園文理小学校の先生と1学期の振り返りのミーティングをさせていただきました。西武学園文理小学校では、小学校の先生がtが1学期に数回の頻度で研修を受け、その都度、直近で授業で教えるシンキングゲームのルール紹介と、児童からよく出る質問や意見などを共有しています。他の学校での授業の様子なども共有して、先生がゆとりをもってマインドラボの授業をしていただけるようにしています。

 打ち合わせで、「ルナロックアウト」のゲームを行った後に、児童が書いたアンケートを見せていただきました。
 ルナロックアウトは、ロボットのピースと宇宙飛行士のピースを動かして、宇宙飛行士の赤いピースをゲームボード中央の赤いマスまで移動させるゲームです。ゲームをしながら、「順序立てて問題を解決する方法を考えること」「論理的に考えること」「可能性を複数が考えて、そこから選択肢を減らしていく方法=消去法」などを身につけることを目標としています。
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 以下、アンケートで児童が書いた内容を抜粋します。小学校3年生と4年生が書いた回答です。

(1)どんなことを考えてゲームをしましたか。

  • あとのことを考えてゲームをしないと、ゴールできなくなってしまうので、あとのことを考えてロボット・宇宙飛行士を動かす。動かせるロボット・宇宙飛行士はかぎられているから、動かせるものを考えてゲームをしました。

 ルナロックアウトは、一度ピースを動かしてしまうと元の場所に戻せないパズルなので、先のことを考えることが必要になります。ピースを動かしてしまう前に、「動かしたらどうなるだろう?」と想像することが習慣づいてきます。

(2)今回の学習から、学校や家での生活に何か役立つことはありましたか。どんなことに役立つと思いましたか。

  • 家で、あとのことを考えて行動すると、お母さんがやっている家事などがへるので、あとのことを考えようと思いました。
  • サッカーでパスをしたり、シュートをする時に、したらどうなるかと考えるとき。
  • 先のことを考えて行動する。
  • まずなにができるのか、発そうをふやす、順序を考える。
  • ものをかたづけるときに、いろいろ考えてかたづけられるようにすることに役立つと思う。

 家の中でのお母さんの家事を手伝う、とかサッカーをやっている児童は、サッカーの試合の中でのことに結びつけて考えてくれました。こうした日常生活の中でのことに結びつけて考えてもらうことが、マインドラボの授業で大切な部分になります。


 学校の授業に関係しそうな回答もありました。以下、回答文のまま掲載します。

  • たとえば、算数の授業で、この計算を先にすると、この答えになったりするけど、ルナロックアウトで学習したことを使って、先にするべき計算をしたりできる。
  • 学校では、算数や国語のじゅぎょうなどにやくだつと思います。先のことを考えてこれをすると答えがかわってしまうな、などおもに先のことを考える。

 国語や算数の授業で、ルナロックアウトを使って学んだ考え方を使ってもらえればいいと思います。
 また、国語に関係するところでは、

  • 話す時に、主語などをわすれずにいうことができると思う。

 という回答もありました。これは、先生がディスカッションの中で、「どれを動かしたらいいか?」「どうしてそう思うのか?」と考えていることを明確に言葉に出すことを求めているからこその回答だと思います。マインドラボでは、こうして考えていることを言葉に出すことを外部化と呼びます。言葉に出せることは、理解できていることだと考えていますので、こうした回答が出てくることは非常に嬉しく思います。
 実際、マインドラボ本部がおこなったリサーチでは、マインドラボの授業を受けた後、言語能力が上がる、という結果が出ています。授業の中で、ゲームの楽しさをきっかけにして、活発なディスカッションが行なわれ、それを正しく導く先生がいてこその成果だと言えると思います。
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 引き続き、2学期も西武学園文理小学校でのマインドラボの授業をサポートさせていただきます。(2学期は、授業の様子を取材することも予定しています。)