Mind Lab / マインドラボ 活動報告ブログ

マインドラボは、ボードゲームを使って「生きる力」「考える力」を養う教育カリキュラムです。イスラエル生まれで、現在世界15カ国で教えられています。

淑徳小学校:Emotionally Safeな授業が大切

淑徳小学校の放課後クラブ「淑徳アルファ」で開講しているマインドラボで、2年生のクラスは6月は「アバロン」をやってきました。この単元は、「協力すること」がテーマになっています。アバロンは、相手よりも多くボールが並んでいれば、相手のボールを押すことができ、先に6個相手のボールを落としたら勝ち、というゲームです。相手よりも多くボールが並んでいれば押されないので、バラバラになっている方が不利だ、というゲームなので、「自分のボールをチームとしてひとかたまりにすることで、ボールを1つ1つの力よりも強くなる」ということが、ゲームの中で学んでもらいたいことになります。
アバロンのゲームをした後に、ワークブックを開いて、どんなことに気をつければいいか、などを文章で書いてもらっています。自分の言葉で書くことはまだ大変ですが、ゲームで楽しみながらこうしたトレーニングを継続してやっていくことが重要なので、「正解不正解があるわけじゃないよ」「どうしてそう思ったのかを、わかるように書いてね」「人の発表を聞いて、あ、違ったかも、と思ったら、書き直したり、書き足してもいいよ」といつも言っています。
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マインドラボでは、「Emotionally Safe」という言葉を大切にしています。これは、「どんな考え方でも、ここでは口に出して表現しても大丈夫だ」という、信頼関係を築くことです。勇気を出して発表しても、「それは違うよ」って先生に言われたら、そのあと、また自信回復に時間がかかってしまいます。だから、正解でも不正解でも、「どうしてそう考えたの?」と僕たちインストラクターは答えます。そうすると、考えた手順を他のみんなにも知ってもらえます。途中で「違うよ!」というクラスメイトもいます。その子には、少し待っていてもらって、改めて、「どうして違うと思ったのか」を、説明してもらいます。
こうしたディスカッションを続けていると、3ヶ月から半年くらいで、ディスカッションに児童たちが慣れていきます。安易に「違うよ!」とかも言わなくなります。また、「どうしてそう思ったかが大事だよ!」とか、クラス内で言い合う姿も見られるようになります。「あ、そうか、ここが違ってた、勘違いしてた」と自分で間違った箇所を見つけられるようになる子もいます。こうした環境が、「Emotionally Safe」だと思っているのです。
2年生のクラスも、だいぶディスカッションの雰囲気が変わってきました。1学期のラストスパートが楽しみです。